政府系、民間を問わず、金融機関の融資基準は、時々の経済情勢および政策に大きく影響されます。従って企業側としては、的確に大局をつかみ、変化に対応した企業戦略をとっていく必要があります。 極めて大まかに年代ごとの判断基準を分類しますと、以下のようになります。
・1980年代まで:資産価値経営の優劣で判断。 要は、『どれだけ資産があるか。担保があるか。』
・1990年代:キャッシュフロー経営の優劣で判断。 要は、『どれだけ現金があるか。』
・2000年以降:ビジネスモデルの優劣で判断。 要は『今後継続的に収益が得られる事業計画があるか。』
背景を簡単に説明しますと、80年終わりのバブルがはじけた結果、土地を担保にした、含み資産をあてにした融資はいけないことに金融機関は気が付きました。 それで90年代に入り、頼れるのは『今ある現金』という風潮になり、決算書を重視し、倒産しそうにない会社に出資や融資が偏るようになりました。その判断基準として、金融庁が金融検査マニュアルというものを交付しました。銀行などの金融機関は、このマニュアルに沿って判断するようになってしまいました。
ですが、90年終わりのネットバブルが膨れ出した頃から、「このままでは日本の企業は取り残され、淘汰される」という不安から、事業計画を重視し、新しい取り組みを推奨する機運が高まりました。
現在は、資金調達の成否を決定付ける鍵が、『いかに自分の会社の展望を上手に語り、説明できるか』にかかっている時代といえます。 これは、国の方針といっても過言ではなく、事業計画をきちんと考えている企業に対して、さまざまな優遇策を利用できるように法律で決めてしまいました。
それが、中小企業新事業活動促進法の中にある『経営革新計画』です。 つまり、この計画書式に沿って事業計画を説明し、お役所の承認を貰った企業が、今後は公的な資金調達(融資、助成金・補助金)の審査が有利になる、というものです。 これは、民間の金融機関から見れば、『事業計画優先の判断は良いが、統一基準を作ってもらわないと事業計画の良し悪しが判断できないので、融資ができない。』ということになります。その結果、法律認定を取った事業計画書が重要視されていくことになります。
いずれにしても、企業経営者にとっては、担保になるような資産を持っていなくても、現在借金があっても、事業計画がしっかり考えられていれば、新たな資金調達が考えられるようになったと言えます。 中小企業にとっては『絶望的な状況から、手間は掛かるものの光明を見つけられる時代になった』と言えるでしょう。
事業計画書の作り方には、様々な考え方や書式があります。また、変化の激しい時代に合わせて事業計画自体は日々更新されていくべきものです。 しかし、『効率良く資金調達を成功させる』という視点で考えれば、『国が考えた事業計画書の様式に合わせ、型に合わせた表現方法で、自身の考えている構想を流し込み、説明するのが一番』と言えます。
大切なことは、まずはお役所の認めた計画書である、というお墨付きを得ることです。 独創性や新奇性は事業そのものには重要です。しかし、計画書の作成や説明方法については、事例や慣例に沿うことが重要です。 これらを活用する重要なポイントは、お役所が認めた計画書を発行してもらえるかどうか、であるということを忘れないようにしてください。
銀行からの融資を断られても、あきらめるのはまだ早いです。 当社では、赤字決算でも、税金を滞納していても、資金を調達した実績が御座います。 どうしても、急な資金が必要な場合もご相談ください。
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